考え方と役に立たない(無意味な)考え方スタイル vol 1.1
今回は役に立たない(無意味な)考え方スタイルです。
英語ではUnhelpful Thinking Stylesで、私が直訳で役に立たない(無意味な)考え方スタイルと付けました。
もうちょっとかっこいい訳し方があるのかもしれませんが直訳すぎてすみません。。
Unhelpful Thinking Stylesは10個の自分にストレスを与えてしまう、良くない考え方です。
この10個の考え方を知っておくことで、この考えをしてしまっているなというときに
「これは考えなくていいことだ!」と自分を楽にしてあげられることを期待しています。
これから説明が長いので先に画像を見て気になった項目の説明を読むのを推奨します。
1. All or nothing thinking (black and white thinking) ー0か100か
物事を0か100か、白か黒か、なしか全てかで見てしまう考え方です。
人間は怠惰な生き物なので物事をできるだけ単純に簡単に捉えようとしてしまいますが、世の中はそんなに単純で簡単なものではありません。
複雑でグレーで曖昧なことだらけなのです。
物事にはいい点もあれば悪い点があり、いいことばかりや悪いことばかりではないということです。
例えば、
私は完璧な人間ではないので成功しない → 成功している人は皆完璧ではない
→成功の内容は定義されていないのでかなり曖昧なもの
面接で一つの質問をうまく答えられなかったので、面接は失敗だったと思う。
→その質問の返答は良くなかったかもしれないけれど、他の返答は良かったかもしれない
→成功かもしれない(10問のうち1つ間違えても9問あってれば成功だよね?)
この考え方は完璧主義にもつながっています。
完璧じゃなくても(そもそも完璧にはなれないし)素晴らしい!
完璧じゃなくても目標は達成できる!
2. Overgeneralizing -過度な一般化
1つの出来事で世の中の全てがそうだと結論付けてしまう考え方です。
例えば
今日嫌なことがあった。これからも嫌なことしか起きない。
→今日嫌なことがあっても明日はいいことあるかもしれない
今日また嫌な人にあった。世の中には嫌な人ばかりだ。
→嫌な人も、いい人も世の中には必ずいる。
主語が大きくなりすぎると、人を傷つけてしまうのと同時に自分も傷つけてしまうということですね。
3. Mental filter -メンタルフィルター
悪いことにばかり注目してしまって、いい事を無視してしまう考え方です。
フィルターをかけたときにいいことだけ消えていって、悪いことだけ残ってしまうイメージです。
例えば、
恋人と喧嘩をした。ずっと喧嘩ばかりの最悪の思い出しかない。
→一緒にお出かけしたり、楽しかった思い出は無視されている
大学の思い出は友達もできなかったし、成績も良くなかったし最悪の思い出だ。
→いい教授に出会えたり、バイトを頑張った思い出は無視されている
いいことを思い出せれば、思い出もいいものになるかもしれませんよね。
4. Disqualifying the positive - ポジティブなことを失格とする、ポジティブなことの却下
起こったポジティブなことは自分の頑張りや、努力の結果ではなくただの幸運の結果であると理不尽にポジティブなことを却下する考え方です。
ただの幸運と思う他に、それはあまりに簡単すぎたので良いこととしてカウントされるべきではないと却下してしまう考え方です。
例えば、
運が良かった、作業が簡単だった、他人が親切だったなどの理由で、自分の成功に携わった自身の努力を無視する。
賞賛や賛辞を数えることに意味がないと言い訳する。
自分の努力が、人に認められたら嬉しいものです。しかし、自分がまず自分自身の努力を誉めてあげなければ自分が報われないというフラストレーションに苛まれてしまうかもしれません。
5. Jumping to conclusions -結論の飛躍
結論の飛躍には2種類あり、どちらも想定できないはずの結論を想像して結論付けてしまう考え方です。
1つ目はMind Reading(読心)
人の行動や仕草で勝手に相手の気持ちを考えてしまう考え方です。
例えば
街で歩いていたらすごくジロジロ見られた。自分が醜いからだ。
→ジロジロ見てくる人に何を考えているか聞いたわけではない
この考え方に陥ったときに大切な考えるべきことは
”実際に相手の気持ちを聞いたか?”です。
2つ目はFortune Telling(未来予想)
私たちは自分の未来がどうなるか予想することはできません。
予期していなかったことが起こるし、だからこそ楽しいものになると思います。(反対に予測できない不幸や辛いこともありますよね)
この考え方は自分の未来は予想できると考えてしまう考え方です。
こういう考え方をしていると、予測できないことが起こったときにパニックになってしまったり、絶望を感じてしまうこともあります。
6. Magnification (catastrophizing) & minimization (拡大と最小化)
拡大化と最小化は仕事や課題に取り組むときに陥りがちな考え方です。
Procrastination(後回し癖)にもつながる考え方です。
拡大化は物事を実際よりも大きく重大に考えてしまうことです。
すごく量が多くてどうしたらいいかわからない課題や仕事があるときに、小さなタスク(ステップ)に分けて書き出してみると意外とやること少ないということがありませんか?
それは最初にその課題や仕事を見たときに拡大化してしまっているからです。
反対に、最小化は物事を小さく見積りすぎる考え方です。
あまりにも仕事や課題を小さなものと考えすぎると、今はまだ取り組まなくてもいいんじゃないかと考えてしまいます。
最小化も拡大化と同じく、小さなタスクに分けて考えることでいつ取り組み始めたらいいかなどを可視化することができます。
7. Emotional Reasoning (感情の理由づけ)
これは割とそのままの意味で、感情に頭で考えた理由づけをしてしまう考え方です。
人間の感情は言葉で言い表せないものばかりです。
あなたが悲しい気持ちになったのはあなたが弱いからではありません。
あなたが泣いたのは、あなたが馬鹿だからではありません。
自分の感情を完全にコントロールできないように、感情に理由はありません。
8. "should" "must" -しなければならない
これは自分自身に”しなければならない”の呪いをかけてしまう考え方です。
自分自身に”OOしなければならない”という強制をしてしまうことで、それが実行できなかった時にひどい罪悪感を感じてしまうのです。
加えて、自分以外にもOOしなければいけないと言ってしまうと、関係性が悪化したり、混乱を招く可能性があります。(商談や議論の際に使うと話が通りにくくなるという説もあります)
9. Labeling -ラベリング
自分自身にラベルを貼ってしまう考え方です。
例えば、
私は馬鹿なので何もできない。
→本当は馬鹿ではないのに、勉強の機会や知識を得る機会を失ってしまう
意外と自分は自分のことを何も知らなかったりします。
ラベルを剥がしてチャレンジしてみると”自分こんなことできるんだ!”と新たな自分に出会えるかもしれません。
10. Personalisation -パーソナライゼーション
全てが自分のせいではないのに全て自分のせいであるように捉えてしまう考え方です。
必要以上に自分を責めてしまうということです。
物事に挑戦したときに失敗してしまったとして、全てが本当にあなたのせいでしょうか?
運、その日の体調など様々な失敗の要因がありますよね?
加えて、自分ではなく全ての責任を他人のせいにしてしまうのもパーソナライゼーションです。他人ばかりを責めてしまうと関係性も悪くなりますし、全てが誰か一人のせいになることはありません。
誰かのせいと考えるよりも、次に失敗しないようにどう対策をしていけばいいのかを考えていけるとこの考え方を避けることができるようになっていくと思います。